自分の写真
暮らしのそばにある花鳥風月を楽しむ毎日。めぐる季節、出会った自然、草花や木々を暦とともに紹介します。

2016年10月25日火曜日

暦とともに#169 霜降

北国から順に霜が降り始めるころ、霜降。
ここへきて朝晩が急に寒くなりました。
陽が暮れるのも早くなり、秋らしくなったというよりも、
初秋や中秋がなく、一気に晩秋の気配を感じるような今年の秋ですね。

今年は紙媒体の連載や掲載が少なく、生けた花を見てもらう機会を
そして、より自分らしい花を生ける機会を
自分で作って行かないと!と思っていました。
そんなことでまずはカレンダーを作る事を決めました。
そして、10月はパブリックな空間に花を生ける機会をいただきました。
川越のうつわノートさんの打田翠展と、横浜三渓園のグループ花展です。
どちらも花を愛知の水野さんにお願いして、
山採りのものや露地物を送っていただきました。
思った通りの花が揃って、どんな風に生けても大丈夫!
そんな気持ちで安心して、楽しく生ける事ができました。
水野さんから送られてくる花の箱は、私にとっては魔法の宝箱のようです。


野山の花の会:神無月の花1

こちらも野山の花の会の花2

野山の花の会の花3


展示が終わったら、今度はレッスン。野山の花の会:神無月でした。
この会の時は、できるだけ私も一緒に生けたいと思っています。
また愛知からの花を生けました。
花を生けるのは本当に楽しい!山の花はそれプラス幸福感あふれます。
これからも、幸せな花を生けていきたい。
この10月はそういう事をひしひしと思った10月でした。


そしてアウトプットの後はインプット。
時間を見つけて、気になっていた展示を観てきました。
「アイノ・アールト展」と資生堂ギャラリーの「そばにいる工芸」。
静かにそっと染み込んで、優しい、馴染むような、
どちらも生活に寄り添う目線の展示でした。
私の生ける花もそんな存在でありたい、と思います。





展示のはしごの合間には、下町の老舗洋食屋で美味しいハンバーグ丼を!
こちらは実質的なインプット?ですね・笑。

晩秋から初冬へ、いよいよ繁忙期のスパートです。
さあ、体と心に栄養をチャージしたし、頑張って参りましょう。

2016年10月11日火曜日

暦とともに#168 秋分から寒露

秋の真ん中、秋分のころ「あら、秋めいてきた?」と思ったのに、
また真夏日が来たり、雨が多かったりで、季節がわからなくなりました。
そして気がつけば寒露を迎えていて、不思議な気分です。
寒露は「草や葉に宿る冷たい露のこと」で、
長雨がおわり秋本番になるころともあります。
「うん、たしかにそんな感じだなぁ」と思うここ2、3日ですね。

そんな 時候の変わり目に、秋の草花を生ける機会をいただきました。
川越のうつわギャラリー、うつわノートさんで開催の
打田翠さんの個展に花を生ける仕事です。
素敵な空間に素敵な器(薄っぺらい語彙で情けない)、いい花材が揃えば、
私は素直に生けるだけで十分。そんな楽しい花生けでした。
生けた花を見ていただこう!!で、紹介させていただきます。


玄関正面は大鉢に

掛け花

掛け花

掛け花

床の間には大きめの花器

小さい花器

小さい花器

庭に面した和室縁側、生け変えたもの

庭に面した縁側、こちらが先に生けたもの

小さい花器に

このほかにも掛け花少し、小さい花器が少し、
どれも空間と器に生かされてとてもきれいでした。(自画自賛・笑)


ここからは自分のために。
生け終わり、会期も終え、自分なりに感じたことを少しばかり、
まだ整理は出来てないけれど、忘れないように記しておきます。

生ける前に思ったこと
会期が9日、花の状態はどうなっていくのか?
強い頑丈な花材を選ぶのがもしかしたらいい方法なのだろうが、
そういう選び方はしたくない。生けたい花を生けたい。
器の販促であること。一人の作家の作品にのみ生けること。
いつもは花のための器であることがほとんどだが、
今回は器のための花を生けること。
魅力を最大限生かして生けることができるかな?
ギャラリーと作家さんの展示意図を汲めるかな?
アーティスティックに生けることは出来ないけれど、
個性のある器と、ミニマルな空間にマッチできるかな?
そんなこと。

生けてみて気づいたこと
花は枯れていくものなんだから、その過程も自然の美しさであるんだ。
もちろんパブリックな場所で花が枯れていたら、私もエッと思うだろうけれど
今回は朽ちる姿も景色として美しいのでは?と思った。 
ならば時間の経過に任せてみようと思った。
そして、それは理想なのかもと思った。
やはり、できるだけ自然な草花や枝物を生けていきたいと思った。
和洋は関係なく、野趣ある伸びやかな植物が好きなんだ。
花、器、空間、そして景観へ。自然の景色が広がっていくように生けたい。
あらゆるものと引き立て合いながら調和している花。
それがきっと私の花への思い。
こんなことをぐるぐる思っているけれど、さてさて、どうやって行きましょう?
仕事では、いろいろなコンセプト、目的があるわけで、
この通りにはいかないだろうけれど、
いつもこの度思ったことを忘れないでやって行こう!
今はここまでが精一杯。かな。でも少し前進したような嬉しさが。
とどのつまりは、
やっぱり花が好き。生ける時は幸福感満載。
そして、見る方に幸せを少しでもお届けできたらもっと嬉しい。